DCコミックが原作。
スパイダーマンのようなアメコミヒーローを連続ドラマで観たい人にはお勧めだ。
フラッシュの疾走シーンなどの特殊効果はTVシリーズとは思えないほど良く出来ている。
各シーズンの終盤を除くと1話完結のエピソードが多いので、寝ないで続きを観たくなるような中毒性はやや弱いだろうか。
主人公バリーは科学実験の失敗に巻き込まれたことが原因で超人的なスピードで動けるようになった。
その彼がフラッシュと名乗り、S.T.A.R.ラボの科学者ウェルズと助手のシスコ、育ての親でもある刑事ジョーたちの助けを借りながらメタヒューマンと呼ばれる悪い怪人達と闘っていく。
敵は具体的には、ガス人間やサメ人間、全身鋼鉄ムキムキ男、ハイテク武器を持った犯罪者など。ラスボス以外はお馬鹿さんが多い。
10代後半から20代の視聴者をターゲットにしているようで、比較的健全な作りになっている。
バリーとS.T.A.R.ラボのメンバーとの友情や日常パートだけ見るならば、アットホーム感があり和気あいあいとしていて、例えるなら、NHKの海外ドラマ枠で放送していそうな雰囲気だ。
バリーを支えるウェルズは車椅子の天才科学者なのだが、それがまたベタすぎて、これはこれではまっている。
しかし決して健全でアットホームなだけのドラマでは無い。
バリーは子供の時に超自然的な事件に家族が巻き込まれて母親が死亡、父親は母親殺しの冤罪をかけられて今も投獄されている。
事件の真相を解明し父親の無実を証明することがバリーの悲願だ。
フラッシュの前に立ちはだかる謎の敵、リバース・フラッシュ。
彼はフラッシュよりも早くて強い。正体も目的も不明だが、容赦なく人を殺していく彼にフラッシュは劣勢に追い込まれる。
リバース・フラッシュの正体は割と早い段階で明かされるのだが、その意外な正体に視聴者は驚くだろう。予想できた人は少ないと思う。
シーズン2ではさらなる強敵、ズームが平行世界の地球からやってきてフラッシュを再起不能に追い込む。
彼を例えるなら、フラッシュよりもスピードとパワーのあるジェイソンだ。
(厚切りの方じゃ無いよ、13日の金曜日の方だよ。)
どうやらこのドラマの制作陣は、視聴者をミスリードして敵の正体を偽ることに快感を感じているようだ。シーズン2でも視聴者はまんまと騙されることになる。
シーズン2ともなるとフラッシュも敵も自由自在にタイムトラベル出来るようになり、平行世界も相まって物語はカオスな様相を呈してくるが、それでも破綻しないギリギリのところでバランスを保っているので楽しく観ることが出来る。
ストリー構成も映像も非常に凝っているのだが、登場人物がコミック的でリアリティが物足りないので低めの採点とした。
データ
原作:
DCコミックス
製作総指揮:
グレッグ・バーランティ
アンドリュー・クライスバーグ
デヴィッド・ナッター
サラ・シェクター
プロデューサー:
JP・フィン
撮影監督:
グレン・ウィンター(英語版) (パイロット版)
C・キム・マイルズ
ジェフリー・C・マイガット
放送局:
The CW
出演者:
グラント・ガスティン
キャンディス・パットン
ダニエル・パナベイカー
リック・コズネット(英語版)
カルロス・バルデス(英語版)
トム・キャヴァナー(英語版)
ジェシー・L・マーティン